「昨夜の晩酌」
こちら「昨夜の晩酌」でご紹介している酒器やその他の器は、基本的には私の自宅にあって店頭には出ていないもの達です。
こちらでご紹介した酒器やその他の器の中で、もしご関心をお持ちになられたものがありましたら、「お問い合わせ」欄よりお知らせください。ご関心を持たれた品、ご来店日をお知らせ頂けましたら、店の方へ持って参ります。
昨夜の晩酌(牡丹と翡翠)
久しぶりの昨夜の晩酌です。11日(木)に検査がありましたので、しばらく晩酌を控えておりました。先にお伝えしておりますとおり、5月の検査の結果投薬治療となり、最初に出してもらった薬は副作用が出たため、薬を変えて約1か月ほど服用を続けていたのですが、数値は0.1下がっただけで、大きな効果が見られませんでした。まあ、まだ1か月なので、次回の検査結果を期待しましょう(笑)。
高麗青磁の徳利は、昨年10月にもこちらで紹介したことがあります。青磁釉が大変美しく、正に翡色青磁と呼ぶに相応しいものです。この青磁釉の美しさが写真では伝えきれないのが残念です。無傷完品で、容量は約1合半です。
李朝後期分院の染付牡丹紋盃は、見込みに染付で小さく福の字が書かれています。写真では分かりませんが、側面に縦に並んで2箇所、小さなひっつきを削った跡があるのが、この盃の余計なところなんですよね。そのままにしとけばいいのにね。この手の分院の染付盃は、ニセ物が多く出回っていますが、こちらは間違いの無いものです
鱧の湯引きは高麗青磁の小鉢に、崎陽軒のシウマイは李朝後期分院の白磁皿に、ほうれん草の胡麻和えは李朝初期の堅手小鉢にそれぞれ盛り付けてみました。
京都の夏のお料理と言えば鱧料理ですよね。今7月で京都では祇園祭開催中ですが、この祇園祭のことを鱧祭りとも言いますね。関東では鱧という魚はあまり食べないと聞きますが、京都では夏場によく鱧を食べます。私も鱧大好きです。湯引きは、わさび醤油や酢味噌などでも食べますが、私は梅肉で食べるのが一番だと思ってます。鱧の天ぷらも最高です。関東の方も夏の京都へいらっしゃった折には、鴨川の床等でぜひ鱧料理をご堪能ください。
昨夜の晩酌(豪快の巻)
昨夜の晩酌です。
高麗の土器の徳利は、自然釉がダラダラ、ボタボタと豪快に流れ落ちて素晴らしい景色となっています。食膳上の写真だけでは分かり難いので、横にして撮った写真を別に載せております。こちらで、流れ落ちた自然釉が下で液溜まりになって止まっているところまでご確認いただけます。光の当たり方によって、まるで別の物かのように色が違って見えますね。現物の色は、横にして撮った写真程には鮮やかな緑色ではなく、食膳上の写真の方が現物の色に近いです。
しかし、こちらの徳利は最後の写真でご確認いただける通り、キズ物です。自然釉が流れる面の裏側の側面にあたりキズが有り、共色直しがされていました。自宅に持ち帰ってから煮沸して発覚し、前の五輪担当大臣ではないですが本当にガッカリしました(笑)。水漏れはしなかったのですが、煮沸した結果、表面のコーティングが剥がれ、キズを埋めた石膏のようなものが露出していましたので、写真のように銀直しをしてもらいました。
刷毛目の平盃は、直径が10.5~10.7cmと大ぶりですが、白泥が豪快に厚掛けされた刷毛目が目を引きます。写真では少し分かり難いのですが、見込みの中心のほんの少しの部分だけを残して、白泥がたっぷりと掛けられています。最後の写真でもご確認いただいていますように、裏面にも高台の部分を除くほぼ全面に、白泥が筆で厚掛けされています。この刷毛目は、これから使って行けば、益々いい味がついていくでしょう。コンディションは、欠けの小さな金継が2箇所と口縁にニュウが3本あります。
蒸し鶏のピリ辛ソースがけは李朝初期片手の深皿に、いんげんの胡麻和えは李朝末期分院の白磁小鉢に、じゃこおろしは李朝初期の堅手茶碗に盛り付けてみました。長野のNさんから頂いた大根と天神さんで買ったチリメンジャコも、これでおしまいになりました。食器については、堅手や白磁ばかりで、全体の色合いがちょっと地味だったかなと反省しています。
昨夜の晩酌(じゃこおろしの巻)
昨夜の晩酌です。
昨夜は、先日長野のNさんからいただいた大根と21日の弘法さんで買ってきたチリメンジャコとを、じゃこおろしにして一杯やりたいと考えての晩酌でした。
大正から昭和初期あたりのプレスガラスの鉢に、先日いただいた大根のおろしと弘法さんのチリメンジャコをたっぷり盛り付けています。実際にいただく時は、これに削り節を振りポン酢をかけ、ごま油を少し垂らして混ぜていただきます。ごま油を入れることで、大根おろしの辛さの角が取れて、まろやかな辛さになります。うまいです。これはご飯にも合いますね。
焼鮭は李朝後期分院の白磁皿に、水ナスの糠漬けはやはり李朝後期分院の白磁祭器台皿に盛り付けてみました。祭器の台皿は口径が12.5cm程度と小ぶりですが、青みを帯びた釉薬が大変きれいです。
酒器の方ですが、刷毛目の平盃は口径が9.8~10.0cmと10cm以内に収まっており、さらに深さがあるのがこの盃の魅力です。購入時には口縁に2箇所の欠けがありましたが、金継を施してもらい生まれ変わりました。
花三島の徳利は、胴部の刻印部分の全てが印花紋です。胴の上部に印花紋が一列ぐるりと配されていて、その下部には縄簾紋が配されている物はよく見かけますが、このように全体に印花紋が配された物は貴重です。写真では、下部は縄簾紋のようにも見えますが、間違いなく印花紋です。拡大してご確認ください。こちらはしばらく店頭に出していたのですが。久しぶりに使ってみたくなり、自宅に持ち帰っていました(笑)。
こちら「昨夜の晩酌」でご紹介している酒器やその他の器は、基本的には私の自宅にあって店頭には出ていないもの達です。こちらでご紹介した酒器やその他の器の中で、もしご関心をお持ちになったものがありましたら、「お問い合わせ」欄よりお知らせください。ご関心を持たれた品、ご来店日をお知らせ頂けましたら、店の方へ持って参ります。
昨夜の晩酌(三島白黒象嵌?紋徳利の巻)
昨夜の晩酌です。と言いながら、これ実は一昨日の晩酌です(笑)。
原因は三島の徳利です。この白黒象嵌の三島徳利の模様の名称が分からず、1日調べていました(笑)。お山が三つ重なったような形の模様が徳利の胴の四方に配されています。この徳利に配されたものはまるい形ですが、一つ一つのお山がもっと細長く、高く描かれているものも有り、どちらかというとそういう風に描かれているものが多いように思います。また、四方全てにこの模様が描かれているものより、2面には柳や蓮花紋が配されており、残りの2面にこの模様が配されているものが多いようです。そうなると徳利の名称の方が「三島白黒象嵌柳紋徳利」や「三島白黒象嵌蓮花紋徳利」のようになり、この模様が無視された名称になってしまいます。それで、昨日1日、ネットで画像検索したり、図録を片っ端から見てみたりしたのですが、結局答えを得るには至りませんでした。恥ずかしながら、ご存知の方がいらっしゃいましたらご教示ください(笑)。
徳利自体は、口に金直しはありますが、形もよく穴も大きいので大変使いやすいです。容量は1合2勺程度とうれしいサイズです。いい塗箱に入っています。
粉引の平盃は、以前、第1回目の「昨夜の晩酌」(昨年9月)でもご紹介したものです。写真では手前にあるために、ものすごく大ぶりな平盃のように見えますが、口径は10.5cm程度です。見込みに窯キズが有りますが、底には届いていませんので漏れることはありません。もう少し育てて、いい味がついてから店頭に出す予定です。
なま節と筍・厚揚げの煮物は三島石榴紋深皿に、飯蛸の煮つけは三島の小鉢に、淡竹(ハチク)入りちりめん山椒は李朝初期堅手小皿に、それぞれ盛り付けてみました。三島小鉢、堅手小皿ともに盃としても使えるサイズです。
昨夜の晩酌(お久しぶりの巻)
お久しぶりの昨夜の晩酌です。副題の方もそのままの安易なものを付けておりますが、ご了承ください(笑)。
その間、何度か晩酌はして写真も撮ってはいたのですが、どうも気に入らなくて一か月以上空いてしまいました。だからと言って、今回がすごい自信作とかいう訳でもないのですけどね(笑)。
李朝初期白磁の徳利は、青みがかった釉薬が大変美しいです。残念ながら傷物で、口に結構大きめの直しが2か所有り、金直しの金が落ちて地の漆が露出しています。また、高台には窯キズもあります。しかしながら、下膨れの良いスタイルで、穴も大きく酒の出もよい、容量も1合半程度と独酌用の徳利としては、まさに理想的です。これ、キズの無い完品だったら結構お高いですよ。傷物より無傷完品が勿論いいのですが、このように傷物であるがために良いものをお安く購入できて、気軽に使えて楽しめるということもありますよね。
井戸手の李朝末期の盃は、多分私がまだソウルにいた90年代の終わり頃に購入したものだったと思います。口径6.5cmと小ぶりですが、私はこれぐらいのサイズの方が、お膳の上で場所をとらないので好きです。しかしながら、このサイズのものというのは、実際にはなかなか出会えませんね。口縁に2箇所金直しがあります。私が自分でしたもので、うまくいかず何度かやり直したのですが、結局ダメなままで諦めました(笑)。
アジの一夜干しは李朝初期の堅手皿に、オクラの糠漬けは李朝初期の白磁小皿に、玉子豆腐は昭和レトロな紫色プレスガラスの小鉢に、それぞれ盛り付けてみました。アジの一夜干しを盛った李朝初期の堅手皿は、高台が割高台になっています。
先月の検査で糖尿の数値が高止まりしており、投薬治療となりました。最初に出してもらった薬は副作用で左肩が痛みで動かなくなってしまったので、今は別の薬を飲んでいます。しかし、これを飲み始めてから便秘気味なので、また副作用かと心配しながらも今のところ服用を続けています(笑)。私、見かけによらず結構薬に弱いんです(笑)。今後も体調に気を付けて、晩酌は回数を減らしながら続けていきますので、ご期待ください。
また、6月は1周年感謝月間として各種サービス実施中ですので、ぜひ期間中にご来店ください。お待ちしております(詳細についてはこちらをクリック)。
昨夜の晩酌(お帰りなさいの巻)
昨夜の晩酌です。
昨夜使った徳利と盃は、いずれも直しに出していて、つい最近戻って来たものです。
刷毛目徳利は、購入した時には口に1箇所の共直しがあることは分かっていたのですが、他にも共直しがあるのではないかと疑ったため、値切ってお安く購入しました。持ち帰って煮沸したところ、やはり胴の部分に数カ所、白泥が剥がれ落ちたところへの共直しが現れました。写真に写っている箇所の他、反対側に4箇所、円く金継して剥落を埋めてもらった部分があります。小さくて気にならない程度の剥落が、他にも数カ所ありましたが、それについてはそのままにしてあります。容量は1合半程度で、独酌用にピッタリのサイズです。
粉引の平盃は呼継ぎです。今は金継をしてもらっていますが、購入した時は呼継ぎの陶片を接着剤でくっ付けてありました(笑)。それを今回、ご覧の通り金継にしてもらいました。また、高台の一部がごっそりと欠けて無くなってしまっていたので、置くと大きく傾いてしまい、お酒を注ぐと直ぐにこぼれてしまいそうな状態でした。これについても、高台の欠損部を補修していただき、まあ、今でも少々傾いてはいますが、お酒を飲める程度にまで、傾きを調整していただきました。お陰様で昨夜は「お前ら、よう帰ってきたなあ!」という感じで楽しみました。こいつら、いいコンビでした。
蒲鉾の天ぷらは李朝後期の染付「祭」字紋祭器台皿に、キムチは李朝初期の白磁小鉢に、しし唐とチリメンジャコの炊いたんは李朝初期の白磁小皿に盛り付けてみました。祭器は中央に大きめの円の中に「祭」の字が書かれているのですが、残念ながら蒲鉾が上に載っていて見えません(笑)。初期の白磁小皿は、青い釉薬がとても美しいです。口径が10.3cm程ですので、平盃としても十分使えるサイズです。ちなみに、キムチと蒲鉾の天ぷらは、先日祇園の韓日亭さんでいただいたものです。
昨夜の晩酌(日韓交流の巻)
昨夜の晩酌です。
昨夜は特に飲む予定ではなかったのですが、鯛のあら炊きをもらいましたので、これでご飯ではなくやっぱり酒かなということで、飲みになってしまいました(笑)。
初期堅手の徳利は無傷完品です。色は真っ白ではなく青みがかったグレーで、これはこれできれいです。下ぶくれのポテッとした形状も私好みです。容量は1合半ぐらいです。見た目にはもっと入りそうなのですが、厚手でずっしりと手取りの重いタイプなので、思ったほど入りません。なので独酌によいサイズです。
赤上がりの高台の高い盃は、類品を見ない珍しいものです。時代は李朝初期でいいと思います。高台に目立たない小さな欠けが一つある以外には傷はありません。最近はあまり使ってなかったのですが、サイズもよく使いやすいです。このような赤上がりのものというのは、よく見られる青っぽい肌のものに比べ、数も少なく、柔らかい感じがするため、好まれる傾向が強いようです。
お料理の方は、鯛のあら炊きは李朝初期の堅手皿に、ウドのきんぴらは色絵伊万里の向付に盛り付けてみました。今回、珍しくウドのきんぴらを李朝の器ではなく伊万里に盛り付けたのですが、意識してしたものではなく、何の考えもなくこちらに盛り付けてゴマを振ってから、あっ!と気づいたのでした。李朝・高麗の器に盛り付け直そうかとも思ったのですが、ゴマも撒いてしまったし、もう一度きれいに盛り直すのも難しそうなので、まあたまにはこういうのもいいか、ということでそのままにしました。
この器は、普段食事の時にもずく酢などを盛るのに使っています。時代は、私はあまり詳しくないのですが、江戸後期もなく明治かなと思って使ってました。もし、詳しい方がご覧になられましたら、ご教示ください。
鯛のあら炊きは、骨にへばりついた身も美味しいですが、なんといっても目玉がおいしいですよね。箸でほじくり出して、ちゅるちゅるといただきました。コラーゲンたっぷりですよ(笑)。
昨夜の晩酌(憧れの染付盃?の巻)
昨夜の晩酌です。
李朝の盃を集め出した当初は、李朝末期分院や民窯のサイズのいい椀形のものばかりを買いあさっていましたが、そのうちに染付の入った盃が欲しいと思うようになりました。本当に欲しいのは、後期分院の牡丹や菊、福壽の文字等の描かれたものですが、そんなものはそう簡単に見つかりませんし、あったとしてお値段の方がべらぼうに高くて手が出ません。民窯で、何が描かれているのか分からないような紋様の絵付けのものでもいいので、染付の入った盃が買えないものかと思っていた時、出会ったのがこの盃でした。染付とは言っても、見込みに薄く短い線を二本、筆で描いただけのものです。買ってからしばらくは、悦んで使っていましたが、長くは続かなかったように記憶しています。
鉄砂徳利は以前2018年10月3日付「昨夜の晩酌」で紹介したものと同様に、口を欠いていてぐるりと銀直しが施されています。この手の鉄砂徳利で完品のものは見たことがありません(2018年10月3日付「昨夜の晩酌」へはこちらをクリック)。しかしながら、こちらの徳利は口の部分がまだ少し残っています。先にご紹介したものよりは小ぶりで、容量は1合2勺程度でしょうか。独酌によいサイズです。
いかの塩焼きは李朝初期の白磁皿に、白和えは三島の小鉢に、野菜の煮物は高麗青磁の深皿に盛り付けてみました。高麗青磁の深皿は、見込みの三方に白象嵌の菊花紋が配されています。品のいい深皿で私はこれ、気に入ってます。
昨夜の晩酌(魅惑の百合の巻)
昨夜の晩酌です。少し間隔が空いてしまいましたが、先週、酒の肴にとお土産を数点頂いておりましたので、昨夜はそれらをあてに一杯頂きました。
まず徳利は、李朝初期の堅手徳利ですが、注目すべきは胴に百合の花がでかでかと印刻されています。絵を専門とした人が描いた端正なものではなく、子供が描いたような大胆な絵であるところが面白く、惹きつけられます。 この徳利、購入時には直しは無く、口の半分以上を欠いた状態でした。それでも、見つけた瞬間に一目惚れしてしまい、口欠けの徳利としては結構なお値段で購入しました。まだ10年にはならないかと思います。購入した当初はうれしい反面、口欠けの徳利にこんなにお金をかけてよかったのかな?という気持ちもありました。最初は口を欠いた状態のままでお酒を飲んでいましたが、購入してから2年ぐらいしてから専門家に直しをお願いして、現在の姿となりました。容量はほぼ2合と結構入ります。
李朝末期の盃は、10年以上前に踏十里古美術商街の骨董店で購入したものです。その時には、これと合わせて3個の盃を購入したのですが、そのうちの一つががこちらのブログ「昨夜の晩酌」(2019年10月8日付)に写真を掲載した井戸手盃です(「昨夜の晩酌」(2019年10月8日付)へはこちらをクリック)。こいつは普段使いによく登板させています。最初購入した時は、白いだけの末期の盃でしたが、しっかり育って貫入が深くなり見込みには赤みがさしています。高台の無いベタ底なのですが、その周辺の土が少し赤みを帯びたところがあり、さらに見込みにピンホールもいくつか見られたため「これは育つな」と思い購入しました。こちらの方は安価で購入しました。
小田原の蒲鉾と気仙沼産のマグロしぐれ煮は、李朝後期の祭器面取台皿に、海鞘(ほや)のオリーブオイル漬けは李朝初期の白磁小皿に、菜の花漬けは三島菊花紋小皿にそれぞれ盛り付けてみました。高台が面取の祭器は数が少なく、その分高価になります。初期白磁小皿は、平盃としても使えるサイズです。
酒のあての蒲鉾は小田原から来ていただいたお客様から、マグロしぐれ煮と海鞘オリーブオイル漬けは韓国留学時代の友人から、それぞれお土産に頂いたものでした。ごちそうさまでした。
昨夜の晩酌(新旧酒器共演の巻)
昨夜の晩酌です。
ところで、このところタイトルに変な副題が付くようになっていますが、これは同じ「昨夜の晩酌」というタイトルの記事がどんどん増えて行ってしまうので、整理のためにつけているものです。例えば、振り返って「あの回の盃」といったような時に、副題をつけてないと分かり難いので、今後便宜上付けていきます。なので、内容とドはまりでは無い場合もあるかもしれませんが、そんな時は苦笑いでスルーしてくださいますよう、よろしくお願いいたします(笑)。
前振りが長くなってしまいましたが、気を取り直して、昨夜の晩酌です。写真手前の李朝末期の井戸手の盃は、先月の訪韓時に踏十里古美術商街で、前回の(カラスミの巻)でご紹介した盃と一緒に購入したものです。こちらはやや大ぶりで深さもあり、ぐいぐいやりたい方にはピッタリでしょう。全体に細かい貫入が張り巡らされており、高台周辺には僅かですがカイラギも見られます。こちらも、これからさらに使えば、よい姿に育っていくこと間違いなしです。
最新購入の盃に対して、盤口の高麗青磁徳利は、私がソウル在住の1990年代末にソウルの長安坪で購入したものです。胴にひっつきとひっつきの剥がれが、一カ所ずつあります。写真では分かり難いかもしれませんが、向かって右がひっつきで、左のやや下の方にあるのが剥がれです。キズはキズなのですが、ここに指を掛けてつかむと滑り止めになるという利点もあります。実はこの徳利、底の高台内側に細い窯キズが有ったのですが、買う時にはひっつきと剥がれに気をとられて、見落としていました。家に帰って水を入れてみると結構漏れましたので、自分で金継して止めました(笑)。
この手の土物の徳利は、使った後に乾かすのが結構大変で、ちゃんと乾燥させてから仕舞わないと、直ぐに内部がカビてしまいます。私は、1日逆さにして水を切った後、ガスファンヒーターの前に置いてカラカラに乾かせてから仕舞うようにしています。なので、ガスファンヒーターを使う冬場以外の季節には、この手の土物の徳利は使わないようにしています(笑)。但し、この方法は直しのある物には向きませんので、もし行なう場合は熱風を当てる時間を短くして、何度かに分けて行う必要があります。今回もそうしました。
お料理の方ですが、七味唐辛子ピリ辛焼き鳥は李朝後期分院の白磁皿に、オクラのオカカ和えは三島の小皿に、おからは三島の小鉢にそれぞれ盛り付けました。