「昨夜の晩酌」
こちら「昨夜の晩酌」でご紹介している酒器やその他の器は、基本的には私の自宅にあって店頭には出ていないもの達です。
こちらでご紹介した酒器やその他の器の中で、もしご関心をお持ちになられたものがありましたら、「お問い合わせ」欄よりお知らせください。ご関心を持たれた品、ご来店日をお知らせ頂けましたら、店の方へ持って参ります。
昨夜の晩酌(今年は年明けに来た海老の巻)
今日で阪神・淡路大震災から30年になるんですね。地震の発生した1995年に私はソウルにいました。当時の下宿の部屋で休んでいたところ、ある人(韓国人)から電話がかかって来て、君の家は大丈夫か?関西で大きい地震があった。テレビを観てみろ。と言われたんですよね。当時韓国のテレビは、お昼のニュースの後は夕方までお休みで放送がなかったんですが、テレビをつけてみると多くの建物が崩れ、大規模な火事が発生している様子が映ってました。それを見た時、これは現実に日本で起きてることなのかと大変ショックを受けました。
心配になって実家はもちろんのこと、関西の友人などに片っ端から電話で連絡してみましたが、どこにも全くつながりませんでした。その日の夜11時過ぎ頃だったと思います。実家からこちらへ電話が来て無事が確認できた時は本当に安心しました。まだその時点では神戸等でそこまで大規模の被害があったことも分かってはいなかったのですけどね。
昨日、昨夜の晩酌のご報告したばかりなのですが、今日もまた連日の昨夜の晩酌です。
実は生きた車海老をいただきまして、これは飲むしかないなとなった訳ですよ(笑)。車海老を毎年年末にいただいていたのですが、今年は年が明けてからいただきました。これまで年末に車海老をいただいて食べるのが個人的な年末の風物詩のようになっていたんですけどね(笑)。例年通り自宅のガスコンロの魚焼き器で塩焼きにしていただきました。
おがくずの付いた体をまず冷水で洗われ、塩を振られ、魚焼き機で焼かれます。残酷です。海老がしばらくは魚焼き器の中でバタバタと暴れます。熱い苦しいでしょうね。「あ~あ、すんませ~ん」と思いながらも焼きます。申し訳の無いことです。でもうまいんです。やっぱり(笑)。
酒器の方ですが、赤上りの盃はまだソウルにいた90年代末頃に入手した物です。赤みの出た肌、口縁に火間、口縁部から見込みに出た釉垂れ等、見どころの多いよい盃で入手した当初は集中的に使っていました。なので元々赤上りではあったのですが、使用により赤味は増しています。写真の画像で見るより現物が赤いです。口縁部のちょうど釉垂れのある所にニュウがあり、底部周辺の一部にカセが見られるんですが、使用により滑らか手触りになっており気にはなりません。久しぶりに使ってみました。
徳利は私の好きなキズ物の三島です。容量が1合2~3勺で独酌にピッタリなサイズ。口部に大き目の欠けの金継ぎが2箇所あります。こちらは入手して20年ぐらいなるのかなと思います。入手した時はキズが共直しされていましたので、金継ぎにし直してもらいました。キズ物ですが、この徳利はカセもなく肌が滑々できれいなのがいいです。徳利どうしようか?と迷った時などはいつもこいつにお願いします。
お料理の方ですが。海老の塩焼きは李朝初期堅手の大皿に、終い弘法で買ったすぐき漬けは李朝初期白磁の平盃に、温豆腐は高麗青磁陽刻紋八角小鉢にそれぞれ盛り付けてみました。